2010年4月28日水曜日

【LABO更新】教員・事務員に聞く大学教育の今

大学LABO更新 
http://hp.univlabo.com/daigaku-kenkyuu-kekka---kenkyuu-shitsu---kyouju/daigaku-to-kyouiku




■大学教育の現状と将来 2010年2月

東京大学 大学経営・政策センター 調べ  アンケート対象
 国立公立私立
サンプル数16991610212079682
回収数531118764442965
回収率31.30%30.70%36.80%30.60%

大学の教員に聞いているデータというのが面白いです。全部で28問あります。 

・以前より教育の質がよくなっていると答えた方が5割
・大学と一般社会の感覚のギャップが大きくなっているが6割
・入学の学生数確保に問題を感じている7割
・財務状況に問題を感じている7割

などなど。大学教育の課題点が浮かび上がってきます。

2010年4月27日火曜日

社会人から学生が嫌われる20の理由

こちらで紹介されてい学生が嫌われる20の理由が
「わかるー。」と感じてしまったのでご紹介。
http://blog.livedoor.jp/mohideki/archives/51725603.html


私も学生時代に起業し、数多くの大学生と一緒に仕事をしてきましたが
当てはまる学生、非常に多いです。
耳が痛いかもしれませんが注意しましょう。




だから学生は嫌われる20の理由
1. 約束時間に遅れる
2. 必要な時にメールが帰ってこない(24時間以内に戻ってこない)
3. 必要な時に携帯につながらない
4. 携帯に伝言を残してもリプライがない
5. 大して忙しくないのに、すぐ忙しいからと仕事を断る
6. すみません、メールを読んでいませんでした、とすぐ言い訳する
7. 評論家的な意見を言うばかりで、自分が当事者として意見をいえない
8. 理想論ばかりで地に足がついていない
9. 仕事を抱え込みすぎて、すぐにオーバーフローする
10. オーバーフローしてもケアせず、他人任せ
11. 仕事のクオリティの落差が激しい
12. 仕事のクオリティが低くても平気
13. 途中でちょっとつらいことがあるとすぐ仕事を投げ出す
14. ちょっと難しい仕事だと、「すぐできません」という
15. 生意気なことを言うくせに、すぐに仕事を放り出す
16. ちょっと厳しいことを言うとすぐにやる気をなくす
17. 経験者とのコミュニケーション方法を知らず無礼
18. 生意気なことを言わず自分は経験ないからとすぐ引っ込み思案になる
19. アイデアへの自信過剰
20. 失敗の理由を分析せず自分ではなく外部の責任にする





厳しいですねー。
でもここから逃げずに学生のうちから
上記の項目に当てはまらないようにすることの出来る人は
仕事のデキる人になっていると思います。

2010年4月26日月曜日

大学生の創作作品

最近表彰された大学生による創作作品を3つばかりご紹介。
自由な時間を自分の考えを表現することに使ってみませんか?
ここで表彰されている作品くらいならデキるよ!って思って欲しいですね。


①長崎がんばらんば国体 マスコット愛称「がんばくん」に(西日本新聞)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/167681


2014年長崎で行われる国体のキャラクターが決まったようです。

2014年 国体キャラクター「がんばくん」


2019点の中から、「スポーティーで子どもに人気が出そう」と
京都市の神田美早季さん(19)=京都造形芸術大2年=のデザインを採用








②Google TVCM さがそうキャンペーン (Google)
http://bit.ly/9A2XYE

この募集いつの間にしてたんでしょうか?グランプリは4月からCMとして放映中。
11,764件の中でグランプリを取ったのは福岡在住の男子大学生。



なかなかオツです。検索だけでストーリーを想像させる作品になっています。






こっちはTVCMになったやつ。
個人的にはTVCMより原作のほうがプロポーズするぞ感があっていいような気がします。




e‐とくしま推進財団表彰 (大学プレスセンター)
http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=1656

地方から1つ。

平成21年度「e‐とくしま推進財団表彰」(個人部門)受賞者に、徳島文理大学人間
生活学部メディアデザイン学科4年生の猪子絵梨奈さんが選ばれた。
この動画は、学科の専門授業「専門ゼミナールB」の一環として、

徳島新聞社「まなぼうさい」企画と連携して制作したもの。
海部郡美波町由岐の住民のみなさまの協力を得て、撮影を行った。
お堅くなりがちな防災啓発のイメージを変え、津波への備えに
ついて楽しく学べる作品になっている。

■動画「浜神から逃げろっ!!」
http://wwwt.bunri-u.ac.jp/human/media/hamajin/ (再生にはFlashPlayerが必要です)


正直・・・クオリティはイマイチですがやりたいことはわかります(笑)
見た目だけでなく、メッセージが重要ということでしょう。


創作意欲のある学生さんは自分の可能性にぜひ挑戦して欲しいですね。
挑戦したい学生のためにこんな情報をご紹介。


■第17回コカ・コーラ環境教育賞
4月1日~5月31日、大学生の発想力をコカ・コーラ財団が求めています。
大賞は100万円もいただけます。
絵や動画が苦手な方はこういうところで自分の考えを表現してみるとよいでしょう。
http://www.cocacola-zaidan.jp/activity/env-prize/index.html

コカ・コーラ環境教育賞とは、環境ボランティア活動の助成・支援を通して、環境教育・環境保全活動を促進する事を目的に、1994年に創設されました。以来、16年にわたり、環境教育に関する活動が顕著である団体・個人を顕彰しています。
2009年より、小中学生を対象にした地域社会の環境教育に関する活動実績を顕彰する「活動表彰部門」と、高校生および大学生による環境保全・環境啓発に寄与する新しい企画を支援する「次世代支援部門」の2部門制へと発展しました。

2010年4月25日日曜日

【LABO更新】大学生の意識調査 世の中の矛盾を感じている大学生は93%



■大学LABO更新 
http://hp.univlabo.com/data/ishiki/gakusei-kaigi-shitsu




カレッジ大学の学生会議室では毎月第1月曜日に4つのテーマを学長いとうせいこうより出題し、
そのアンケート結果を発表しています。大学生の考えている「今」が浮かび上がってきます。

カレッジ大学 学生会議室 
カレッジ大学のサイトではいとうせいこう学長から各アンケートについてのコメントがされています。


■2010年4月末集計データ 

N=448
大学生の83%が何か夢中になるものが既にあるようだ。また褒められると伸びると考えている学生も84%。
実際は叱られて伸びるケースのほうが多いはずだが・・・厳しいのは今の時代にあっていないのかもしれない。



N=395
世の中の矛盾を感じている大学生は93%!ただその矛盾に挑んでいる(実際に行動を移している)学生は59%。
結局思っているだけで何もしないという大学生が多いようです。約80%の学生が怒られたことがある、と回答していますが・・・2割の学生は真剣に怒られたことがない、との回答。さすがに甘やかされすぎのような気も・・・・。
怒られたことがない、というのは逆に気の毒のような気がします。


N=330
自分の意見を堂々と主張出来る大学生は70%。30%はできない、とのことなのでうまく引き出してあげることが
必要かもしれません。


N=300
他人を笑わせることが好き、と答えた学生は81%。学生生活中にたくさんの笑顔を作って欲しいものです。



N=294
大学生の75%は苦労を感じているようです。人間関係、就職活動、レポート、アルバイト、恋愛。どの分野でも若いうちの苦労経験は全てプラスになるはずです。71%は親からの援助で生活出来ていると言えるでしょう。



N=297
大学生の悩み相談の手段は78%が直接会って行う。2割はメールだけで相談できてしまうのですね。
コミュニケーションツールがこれだけ発展しても相手の目を見て、声を聞くことの重要さは変わっていないのでしょう。
相談って・・・したところで答えがでるわけではなくて、信頼できる相手に聞いてもらうだけでOKというケースが
多いとよくいいますもんね。


N=260
目標がぼんやりしている、やりたいことが見つからない大学生は全体の約半数。
52%は自分の目標が明確というほうが驚きです。私も学生中に自分の目標を明確に定められていたかというと疑問です。何も決まってなくてもいいじゃない。諦めずもがくというプロセスが大事な気がします。


N=234
深刻なコンプレックスがある大学生は62%。意外と多いです。一方弱点を強みにしようと前向きな人も多いようです。
カウンセリングを受けたいと考えたことがある人が49%もいるのはかなり驚きです。大学生の悩みはかなり深刻なものになっている。



N=234
朝食を食べている学生が82%というのは驚き。以前の調査で、朝食を食べることで希望の大学に行ける可能性が飛躍的に上がるという東北大の調査結果がありました。受験をくぐり抜けた大学生たちはやはり朝食を取っている割合は高いのかもしれません。学食に満足している大学生は57%とこちらは低め。学食側も長期休暇や土日祝日があり、利益の確保が大変だそう。学生側の要求は高くとっても大変ですね・・・。



より詳細な分析は下記よりどうぞ。 カレッジ大学 学生会議室 

2010年4月24日土曜日

研究機関ランキング

論文の評価として重要な指標であるとされている被引用数。
その被引用数ランキングがロイター通信より発表されていました。
対象期間は1999年1月1日~2009年12月31日の11年間と長いので
かなり信用度の高いデータと言えるでしょう。

画像:【レポート】日本の研究機関ランキング - 東京大学がトップを堅持

日本トップの研究機関は東京大学となりました。それでも世界では11番目。世界は広いですね。

ただ、得意分野があるみたいです。
物理学分野では世界2位、生物では世界3位、化学では5位、薬・毒分野でも5位と理系分野では
軒並み世界トップクラスの論文発表がなされているようです。

免疫などの医療系では大阪大、東北大が世界でもトップクラスです。

過去11年ではまだ日本の理系分野の水準は捨てたもんじゃない、ってことでしょうか?
人文や社会、政治などの分野は日本はイケてないってことかもしれません。


とはいえ、理系離れが叫ばれていた昨今。
次の10年間による論文はあまり期待できないかもしれません。
そうなると世界での日本の研究機関の存在感は落ちてしまうのかなぁ・・・・。


あとは5位、8位、10位に上がっていた独立法人系の研究機関。
こんな指摘も話題になってましたね。

■日刊ゲンダイ
http://news.nifty.com/cs/item/detail/gendai-000109993/1.htm


予算のムダを洗い出す「事業仕分け」第2弾で仕分け人を務める与党議員が15日、対象となる54独立行政法人の視察を始めた。そこで呆れた実態が次々と明るみに出ている。
厚労省所管の「労働政策研究・研修機構」が募集して発表している論文が、1本あたり6000万円以上もかかっていたのだ。
視察団のひとり民主党の尾立源幸参院議員は、「民間ならば2000万円もあればできる内容だ」と怒り心頭。
また、文科省所管で神奈川県横須賀市にある「海洋研究開発機構」の東京事務所についても問題視した。日比谷のビルのフロアに300坪を借り、年間賃料が1億1000万円。常駐者が4人もいて、週1、2回しか使用しない理事長らの個室のほか、広々とした会議室があった。
尾立氏は、海洋機構など東京23区外に本部を持つ独法が、都内に東京事務所を置くケースは多数あると指摘。仕分け第2弾で、これら東京事務所も対象にする構えだ。



こういうことがあれば独法による論文発表の規模縮小は仕分けから免れそうもありません。
もう少し優秀な学生に研究費用が落ちる仕組みはつくれないものなのでしょうか?
会議室などではなく、優秀な学生に奨学金を積んでアルバイトをやめさせた方が
よい論文が増えそうな気がします。

2010年4月22日木曜日

4年制大学生→4ナイ大学生?

mixiニュースでなかなか面白い表現をしている記事があったのでご紹介

“引きこもり”へまっしぐら どうする?わが子が「4ナイ生」だゲンダイネット)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1185320&media_id=10


下記より一部引用



4年制大学に通う学生を〈4大生〉と呼ぶが、最近は〈4ナイ生〉が増えているという。
 4ナイ生とは、〈アルバイトをしない〉〈サークルに入らない〉〈大学の講義やゼミで発言しない〉〈恋愛をしない〉学生のこと。


 ベネッセが実施した「大学生の学習・生活実態調査」によると、〈バイトをしない〉という学生は36%、〈サークル不参加〉が51%、〈授業で発言できない〉は47%もいるという。また、オーネットの「新成人意識調査」では、〈交際相手は欲しくない〉と回答した学生が55%もいた。


 4ナイ生が増えているのは間違いなさそうだ。「就活のバカヤロー」(光文社)などの著書がある石渡嶺司氏(大学ジャーナリスト)はこう言う。


「まだ具体的なデータはありませんが、各大学を回って話を聞いた感覚では、学生全体の2割近くは“4ナイ化”している印象です。最近は、これに〈新聞・雑誌・本を読まない〉を加えた“5ナイ生”も増えている」


 4ナイ生は帰宅すると一目散に自室にこもり、ネットやゲーム三昧というケースも少なくない。


「ネット上の情報だけですべてを完結させてしまうから、視野が非常に狭い。ツイッターやネット掲示板などで他人とやりとりしているだけで、〈周囲とつながっている〉と錯覚しています。交友関係も狭く、親とさえ接点を持とうとしない学生もいる。自分より目上の世代と接した経験がないから、コミュニケーション能力が低く、社会性も身に付いていません」(石渡氏=前出)




●これじゃ就職も絶望的


 4ナイ生は就職も絶望的だ。採用試験の面接で、企業の担当者から〈あなたの学科と、弊社の業務はあまり結び付かない気もしますが〉と素朴な質問をされただけで、〈圧迫面接だ!〉と大騒ぎするやからもいるという。コミュニケーション能力がないから、過剰反応してしまう。企業が採用するはずもない。


 就職もダメとなると、4ナイ生はそのまま“引きこもり”になりかねない。北海道では、無職の長男(23)が両親を包丁で刺し、母親(55)が死亡、父親(57)は重傷を負う悲劇が起こった。


 長男は大学を中退してから仕事をしておらず、「両親から〈働くように〉と日頃から言われていて、うっぷんがたまっていた」と供述している。


 最悪の事態だけは避けたい。


「早いうちから、社会とのつながりを持たせることが重要です。友達がいないのではないかと感じたら、嫌がられてもいいから学校生活のことをしつこく聞くなどして接点を持つこと。定期的に親子で外食に行く機会をつくってもいい。子供が親に対して反発心を持っているようであれば、自分の兄弟や親戚、会社の同僚などを同席させ、会社や就職の話をしてもらう。親ではない他人の話なら、子供のほうも納得して聞きやすいものです」(石渡氏=前出)


 カネをポンポン与えるのもダメだ。応援するのと甘やかすのは違う。就活で苦労している子供に、〈しばらくフリーターでもいいから、ゆっくりやればいい〉なんて言うのも大間違いだ。


「〈ヘタな会社に入ったら、子供が大変だ〉なんて考えるのもよくない。仮にブラック企業だったとしても、働いて苦労することで成長する例はゴマンとあります」(石渡氏=前出)


 大学を卒業したら自活するように今から言い聞かせておく。カネを稼ぐのは厳しいことだと教えておけば、必要以上の依存心は抱かなくなる。


タイムリーなひきこもりが家族を殺してしまった事件と結びつけるのは少々強引な気もするが
確かに4ナイ生という響きはなかなかキャッチーではある。
この響きにやられて取り上げてしまった(笑)

〈アルバイトをしない〉〈サークルに入らない〉〈大学の講義やゼミで発言しない〉〈恋愛をしない〉

ただ、この4つの傾向は本当に今始まったことなのかどうかは過去との比較をしないと怪しい。

親からの仕送りが多い時代には今ほど皆アルバイトばかりしていなかったと思うし、
サークル活動も1・2年生だけやっていたというひとも今の社会人にもかなり多いはず。
また、サークル活動をやっていなくても学生団体をやっている、という人も以前と比べて多い。

日本の授業において発言をしないのは以前から変わっていない。
小学校・中学校・高校と手を挙げて発言している生徒はいつも少ないような気がする。
小学校の時の授業参観のときだけは皆こぞって手を挙げていた気がするが・・・(苦笑)

恋愛をしていない学生も以前取り上げた「大学生と性」でも見たが
一定の割合の人間は多くの人と付き合い、一定の割合の人間は誰とも交際していない、
という実態は20年以上前から変わっていない。

そういう意味で4ナイ生が増えているかどうかは置いておくとしても
4ナイ生の就職が厳しいというのは想像に難くない。
企業側もコミュニケーション能力が低くても圧倒的な技術力やマニアックな
深い知識があれば別だが、そうでもない限りコミュニケーション能力が皆無な
学生など使いようもない。

仮に就職できても昇進や本当にやりたい仕事につけるチャンスは激減だろう。
4ナイ生に当てはまってる!と感じる学生は
少し無理して世の中を覗いておいて損はしないはずだ。

この人出来る!と思っている学生と比べても学生のときの差など
社会人のときの差とは比べ物にならないほど小さいのだからちょっとした
背伸びをしてみてはいかがだろうか?

2010年4月18日日曜日

大学の授業で・・・囲碁?

この時期、大学の授業の履修登録って悩みますよね。
そんな中変わった履修登録科目があったのでご紹介。



話題の「囲碁」、履修希望者700人超える http://sfcclip.net/news2010041602



(一部抜粋)



 14日(水)3時限に、卒業生である梅沢由香里環境情報学部特別招聘講師(女流棋士の梅沢由香里五段)による「囲碁」第1回が開催された。倍率は15倍を超え、選抜にΩの2教室を使う事態となった。
  「囲碁」の学生受入予定数は約40人だったが、SFC-SFSで履修を希望した学生数は授業当日の10:00時点で745人まで膨れあがった。 授業では、吉原講師が囲碁の歴史や簡単なルールを説明。志望動機の記述による履修選抜試験が行われ、51人が合格した。
一般の人でも美人棋士として梅沢プロのことを知っている人は多いかもしれないです。
梅沢由香里 五段
スズキのCMなんかにも出ていましたね。いくら有名な方とはいえ競争倍率15倍はすごい。
将棋や、麻雀、漫画、ゲームなんて履修科目も出てくるかもしれませんね。
ルールだけでなくて歴史や文化などを学べるのはいいことかもしれません。



2010年4月17日土曜日

大学の空きテナントを有効活用する

こんなニュースを見つけました。
大学生の新しい起業のスタイルかもしれません。



大学生と農業の力で豊かな未来を実らせる――東洋大学の学生による“おむすびプロジェクト『結』”


http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=1713

(一部引用)

東洋大学ではこの4月より、白山キャンパス(東京都文京区)の6号館地下食堂内に“おむすびプロジェクト『結(むすび)』”をオープンした。これは、3月に卒業したばかりの卒業生を代表に、店舗の運営や料理、宣伝など各分野のプロの方々に指導のもと、学生の手で運営を行っていくプロジェクト。店舗のメインは、美味しい全国のお米でむすぶ「おむすび」だ。
 東洋大学の5学部の学生が通学する白山キャンパスには、4つの学生食堂とカフェテリアがあるが、全1300席を持つ大型フードコートとして注目されているのが「6号館地下食堂」だ。このたび、同食堂内にあった空きテナントを活用し、学生が主体となる店舗“おむすびプロジェクト『結(むすび)』”が誕生した。

同店舗のメインは、美味しい全国のお米でむすぶ「おむすび」。それに加え、このプロジェクトに賛同いただいた、ご縁のある各地の皆様から分けて頂く産物で作ったシンプルな料理のランチプレートを500円にて販売する。

『結』の代表、吉田貢太郎さんは、この3月まで同大学生として「環境社会学」のゼミ(指導教授:青木辰司教授/社会学部長)に所属。地域の独自性や地域間の交流、地域・都市の交流などを「結ぶ」ことに関する重要性を学んできた一人だ。卒業に際し、その集大成として「おむすびプロジェクト」を立ち上げ、ゆくゆく自立化して店舗を経営するための修行を積んでいる。
ともにこのプロジェクトに参加するのは、在学中の後輩たち。学食で店の経営を実践することで、ビジネスの現場を体験する貴重な機会になっている。



推測するに、在学中にゼミの中でこんなことやったら面白いんじゃないか?
地域活性になるんじゃないか?と盛り上がり、
教授もしくは大学がその動きにが手を貸したという構図。
卒業生が今年から行うということは
就職をせずにやるというところも興味のある部分です。
採算が合わなければ吉田さんも継続することはできないでしょう。

今後独立できるかどうかは別にして面白い事例ではないでしょうか?


いいたいことは・・・

★学内の空きテナントもしくは空きスペースを学生が利用して新しいことを始められる。
その事例が出てきている。もっと挑戦してみましょう!
(先日もカフェの事例を紹介しました。)


■POINT
★メリット
・スタッフの一部を所属の学生がやる。
(人件費の抑制)
・賃料はなし、もしくは相場と比べて相当安いはず。
(賃料の抑制)
・学内には人がおり、競合が少ないので認知は広がりやすい。東洋大学は20,000人以上がいる。
(広告費の抑制)
・初期コストがかからない。


★デメリット
・一番のデメリットは休みの多さ
(春休み・夏休み・冬休み・土日祝日。学食などは意外と利益率が低く撤退する業者が多いです。)
・規模の制限。学内が好条件のため学外では成り立たないため仕入れ値が高いままになりがち。
(大学内のお客さんしか基本いない)
・デメリットといい切れないが支持には社会貢献が求められる
(完全な利益追求モデルはおそらく学内で認可されない)
・客単価が安い
(飲食に限らず、学生はお金もっていないのが基本。
値段勝負にならざるを得ないわりに規模の経済が使えない。)


学内のスペースは限られるので後輩にチャレンジの場を空けるという意味で
卒業後3年以内に外部で独立できなければ廃業する、
などのルールを設ければ流動性もあって良いかもしれません。


情熱のある学生は大学の空きスペースを利用させてもらえるよう交渉してみましょう。
大学生の発送で行われる新しい取り組みがもっともっと行われるといいですね。

事業は千三(せんみつ。千あるうちの三つくらいしか成功しないということ。)。
がんがん挑戦していけば当たるのも出てくるでしょう。

でも挑戦しなければ新しいことは生まれません。レッツトライ。

2010年4月15日木曜日

電子書籍の話になったときにそれっぽいことを言えるまとめ。

前にも記事にしましたがアメリカの大学ではi-padを全学生に配布し、
教科書を電子化するなんてところもあるとのこと。


i-padの発売で今まさに市場の注目を集めている電子書籍市場。


電子書籍リーダーはkindleやi-padだけでなく、
実は日本でも随分前から出してるんです。

SONYの「Reader Daily Edition」

ah_daily.jpg

富士通「FLEPia(フレッピア)」

値段が10万て・・・・i-padより高い(苦笑)
PANASONICは以前出していますが撤退していますね。再参戦あるのでしょうか?
i-pad以前はモノクロリーダーが基本でi-pad以降はコンテンツのカラー化が言えるようです。


この市場は自分の学習のスタイルが変わるかもしません。
また一番マンガを読む時間のある大学生にとって
大変興味のある市場だとおもいます。

大学のキャンパスの中で話題に上がったときにそれっぽいことが
言えるようによくいわれてる議論を中心に下記にまとめてみました。


電子書籍の 現状分析・未来予想・課題


①現状分析

図2-1
図2-2
図2-3

・日本の書籍市場は約2兆円。
・日本の電子市場規模はアメリカの100億円と比較し
2009年時点(i-pad登場前)では約4倍の380億円。
携帯電話でのダウンロード(主にエロと携帯小説)が牽引。
・今までも数多くの端末が失敗してきている。
・appleは別に電子書籍市場を重視していない。アプリを重視。
 ジョブス曰く「そんなに家で本読んでる人なんていないよ。」


②未来予想
・数年内に電子書籍が2500億円を占めるのではないか?
・教科書は電子化されるのではないか?
(2009/12/22原口総務大臣「デジタル教科書を全ての小中学校全生徒に配備(2015年)」と発表)
・電子書籍は日本の本の英訳物を世界に売れるチャンス。英訳が進む可能性。



③課題
・電子化されると著作権侵害進みそうじゃない?それはまずいよね。
正規の市場を作り上げなければ、利用者は結局、別のところでコストを払うことになる
・流通書店やばくない?本屋がなくなる。
・コンテンツプラットフォームが出来上がってしまうと寡占が起こる。
・コンテンツホルダーである大手出版社がコンテンツを開放しないであろうために箱だけになるかも
(PANASONICやソニーの端末撤退はそこに起因する部分が大きい)
・質感がなくなる、貸し借りができない
・なんとなくヤダの壁
・有料WEBと何が違うの?



友人と議論をする際にここのことをかいつまんで話せばあなたは
キャンパス内では電子書籍マニアになれることでしょう。



【参考】
慶應義塾大学SFC研究所 プラットフォームデザイン・ラボ


電子書籍の課題と現状


電子書籍市場について
http://www.webdbm.jp/2009/02/7-e8fe.html


番外編で・・・・
http://developer.cybozu.co.jp/akky/2010/04/ipadkindle-674c.html
Ipadprinting

こんな使い方をするとプリントアウトがなくなるかもって話。
コンビニのコピーがプリントアウト機能を兼ね備えてしまう。
こんな時代が来るんだろうか?

2010年4月14日水曜日

【LABO更新】大学生の生活費について

大学LABOで大学生とお金について3ページ更新しました。




■大学生とお金
大学生の生活費(学生支援機構調べ)

2010年4月12日月曜日

奨学金返したくても返せない卒業生たち

奨学金の受給率はなんと4割を超えているという。
返済期間は15年程度が一般的でその返済は卒業生の財布を圧迫している。

そんななかこんなニュース。
奨学金「返したくても返せない」 滞納者は31万人に(産経ニュース) 
http://sankei.jp.msn.com/life/education/100411/edc1004111004001-n1.htm



日本学生支援機構によると、平成20年度の奨学金の滞納者は計31万人で、
滞納金の総額は723億円に上っている。
機構では、正規の返済猶予手続きをせず滞納を続ける場合には延滞金を課すなどの
措置を講じているが、それでも滞納者は4年前より6万1千人増えている。
「返したくても返せない」という人も多い。
「妻もいるし、生活は決して楽じゃない。正直、返済は大変」
大学卒業後11年間、奨学金の返済を続けている秋田県内の男性会社員(33)はこう話す。
大学時代に借りた奨学金は約270万円。卒業後、毎月1万円、年2回のボーナス月は5万円を返済していたが、勤務先の大型商店が経営破綻(はたん)して、給料が大幅ダウン。
年収は250万円以下となり、返済が苦しくなった。
光熱費や家賃などを差し引くと手元には3万円しか残らず、やむなく返済を一時期猶予してもらった。「友達の結婚式にもいけなかった。夕食も店で残ったお総菜を持って帰って済ませた」。
現在の状況は少し改善したものの、返済は2年残っている。
「少しずつでもコツコツ最後まで返すのが大事」。周りには猶予手続きを取らず、延滞している社会人も多いという。


奨学金制度に詳しい千葉大の三輪定宣名誉教授は「卒業後も定職につけず、
派遣やバイトで稼いだ少ない収入から奨学金を返済する人も多い。だから、延滞してしまうケースもある。
貸与ではなく、給付型奨学金が早急に導入されるべきだ」と訴える。
民主党政権はマニフェスト(政権公約)で「給付型の検討を進める」としているが、国の財政は厳しさを増している。川端達夫文科相は6日の閣議後会見で
「マニフェスト的には非常に意識しているが、最終的にはお金がネックになっている」と明かした。
同機構では「給付型の導入はどうなるか分からない。
しかし、返済金の半額軽減で滞納者が減ることを期待している」としている。



記事を読む限り奨学金事情はかなり厳しそうだ。
滞納金が723億円ともなるとこれはとても回収しきれそうも無い。
さすがにニュースの記事なのでわかりやすいような明らかに苦しい事例を挙げているのだろうが、
それでも奨学金を借りている学生にとっては人事ではないだろう。


そんな中こんなニュースも
奨学金返済「半額」 最長10年の救済措置(産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/life/education/100411/edc1004111000000-n1.htm



大学生や大学院生らに対する奨学金の貸与事業を実施している文部科学省所管の
独立行政法人「日本学生支援機構」は、経済的に困窮して奨学金返済が困難になった人に対し、
最長10年間、返済金を半額に軽減する方針を固めた。
来年1月から実施する。不況のため失業したり、給料が大幅に下がるなどしたりしたため、
奨学金返済に困る社会人が急増していることから“救済”に乗り出した。
同機構によると、返済金の半額軽減対象になるのは、
大学などで在学中に毎月3万~15万円の奨学金を受け、
卒業後に分割で返済している社会人らのうち、年収が300万円以下の生活困窮者ら。
通常、毎月9千~1万5千円に設定されている返済額が、最長10年間、半額に引き下げられる。
返済期間はその分延びるが、返済総額はほとんど変わらず、
生活に困窮していても少しずつ返済残額を減らすことができる。



返済総額が変わらないようなのでかなり大きな救済措置にはなることでしょう。

今後の奨学金のあり方を考える上では
最初の記事にもあるように給付型を提案する
民主党のマニュフェストは実現されるのか、見物です。
成績優秀者は給付型を受ける権利を得る、という形に落ち着きそうですね。
それでも給付型が税金で賄われることになると大学に入学した人だけが
国からお金をもらえる構造になるので高卒で働いている人たちからの
不満が出ることも想像に難くない。

とはいえ、以前と比較して大学生はマジメに勉強するというデータもあるらしいので
実現の早期化を切に願っている学生も多いのではないでしょうか?

2010年4月11日日曜日

大学生の暇な時間に・・・・ストップモーション動画

こちらのブログで面白いストップモーションの動画が紹介されていたのでご紹介。


大学生って暇だな~って思う時間たくさんあると思います。
そんなときに挑戦してみたらどうでしょうか?わずか数分の時間のために
何十時間、何百時間と時間をかけて作る作品。
出来上がったものは人を感動させます。



再生回数が350万回を超えています。
卒業制作や文化祭などで挑戦してみたいですね。


メイキングはこちら。


なんかこういう動画って海外のほうが多いですよね。


これならルービックキューブできる人がいればできそう。




これは・・・どうやって作ってるのかわからないです・・・。




最後のは1200万回も見られてます。気が遠くなりそうな時間を使ってとられてるはず。
言葉を使わないものなら世界中の人にも見てもらえるからですね。
これはさすがに芸術大学の卒業制作くらいでないとできないかもしれませんが・・・・
ぜひチャレンジして欲しいです。

2010年4月9日金曜日

きのくにフレンズ 女子大生3名が決まる 地方行政と大学の関係はこれでいいのか?

久々に呆れてしまった。


4月7日 きのくにフレンズ 3名が決まる (和歌山新報)
http://www.wakayamashimpo.co.jp/news/10/04/100407_6711.html


県内外で県観光のPR活動をお手伝いする平成22年度県観光キャンペーンスタッフ
 「きのくにフレンズ」 が決まった。 委嘱状交付式が7日、 知事室であった。
採用されたのは京都市 (紀の川市出身) の同志社大2年、 岩田愛美さん (20)、
 和歌山市 (三重県出身) の和歌山大3年、 橋本奈央子さん (20)、 和歌山市の和歌山大学4年、
 松村翠さん (22) の3人。 応募47人 (女性45人、 男性2人) の中から選ばれた。
来年3月末までの1年間、 県内外でのイベントキャンペーンや式典などの行事に参加、 
県観光のPRを行う。 初仕事は県内では9日夕のテレビ和歌山の情報番組に出演、 
県外では14日にJR名古屋駅で県南紀観光キャンペーンに参加する。


非常に微笑ましい話・・・では終われない。
このニュース、MSNや読売新聞、毎日新聞、産経新聞にも取り上げられているのだが
この和歌山県きのくにフレンズ、なんと1983年~で今年で27回目だそうだ。
歴史あるPR企画になっているようですね。


すんなり流せなかったのは
27回やっていて応募者が47名(女性45名、男性2名)、という点。

男2名て!・・・ってところは性別は問わない募集のようなので
問題ないのですが、やはりメディア映えがよいのか
毎年女子大生がきのくにフレンズに選ばれているようです。


和歌山大学の学生数は4200名弱。
周辺の和歌山出身の大学生に限っても数万人はいるはずだ。
27年もやっていてこの応募者数というのは
県行政の担当者はやる気があるのだろうか?と疑わざるを得ない。
歴史もあって県のPRができるチャンスの場なのに活かそうという気がない。


大学も大学でもっと地域行政に協力する関係を
築くことが大事なのではないでしょうか?
和歌山県内の学内で告知してたらまた違ったんじゃないかなー?

地方大学の出身者はその地域行政に携わる可能性は高いでしょうし、
なにより地方活性の先頭を切るべきはその地方の大学だと思います。
次はその地域のNo1大手企業にもある程度お金を出してもらいたいところです。
単純マイナスだけでなくて地域に使った分は
使ったお金の部分ではある程度減税するとかして。(ふるさと納税の企業版?)
どうせ納税したお金をこういう使い方するくらいだったらそっちのほうがよくないか?


地方行政×地域大学×その地域のNo1大手企業
(大体は新聞社かな?山口県だとユニクロとか?) 


そういう盛り上げ方したらもっと他県との行き来が活発になったりするんじゃないかな?
・・・・珍しく熱くなってしまいました。


決定したきのくにフレンズには申し訳ない記事に
なってしまったがぜひ3名には頑張ってもらいたいです。
以下は過去3年のきのくにフレンズの方々。がんばれ!きのくにフレンズ!
平成22年度

4月10日j.jpg
平成21年度

平成20年度

大学内のカフェ戦争 学生の経営するカフェまで登場

最近増えたなー、と感じる大学内のカフェ。
学生にとってはなんか嬉しいですよね。




有名チェーンが学内に入っていくことも最近では結構あるみたいです。
調べてみると・・・・
































ドトール → 東大、立正大、東海大
スタバ  → 東大、筑波大
タリーズ → 京大

に入ってるみたいですね(大学病院の中には他にもたくさんあります。)

ちなみにエクセはまだ入ってませんでした。
学生にはあのラグジュアリー(?)なソファーはまだ早いってことでしょうか?


大学独自色を出しているカフェもあります。
有名なのだと・・・・東京大学のUT.cafeでしょう。


写真

東大内にUTカフェが2008年にできたのは記憶に新しい。
料理はフランス料理のシェフが提供し、大学研究でできた焼酎や、ワインが飲める。


学長曰く・・・・「新しい知を生み出すには、食べながら、飲みながら談論する場が必要で、そのためにはおいしい食事とワイン、コーヒーが必要。カフェを『知が出合う場』にしたい」だそうだ。

ふむ。新しい知にワインが必要だとは知らなかった・・・・。

それにしても東大にはスタバもドトールもあって・・・カフェありすぎだな(苦笑)
東大生はコーヒー好きなんだろうか?



筑波大学のスターバックスは大学図書館内にあるそうなのだが、
金沢大学でも大学図書館内に「ほん和かふぇ」という学生ネーミングのカフェが
この4月からオープンするらしい。

名古屋経営短大では4月から学生が経営する学生カフェ
「カフェミッシェル」が誕生したそうだ。

写真


学生の皆さんもここのスペースあまってるじゃん!というのがあれば
大学に本気でメッセージを送り続ければカフェを開くことができるかもしれません。

大学がある程度セーフティネットを引いた状態で(もちろん、甘えは防がなければならないが)
経営に直にチャレンジして行く、というのは大事かもしれませんね。

2010年4月8日木曜日

i-padを配る大学登場 紙がいらない授業も近い?

i-phoneを配布する大学は日本でも数多く出ていきています
つい先日されたi-padを配布する大学が出てきたようです。

日本で話題になったのは最初にi-phoneを学生に支給すると発表した青山学院大学でしたが
日本でも本気で検討している大学はかなり多いのではないでしょうか?


アメリカの大学では教科書が高く1冊5,000円ほどすることがざらにあるらしい。
kindleとの激しいシェア争いが想像できますね。
大学と距離が近い、という意味ではアップル社が一歩リードでしょうか。


googleしかりappleしかりアメリカの先進企業は大学への投資が半端じゃない。
日本もそうなればいいのに・・・・。




ニュースソースはこちら http://wiredvision.jp/news/201004/2010040721.html
以下引用
米国の3大学が、教育の改革を期待して、学生と教師に米Apple社の『iPad』を無料で配布する。
シートン・ヒル大学、ジョージ・フォックス大学、およびアビリーンクリスチャン大学は、現物を見る前にiPadを大量に先行予約していた。iPadで学習がどう変化するのか実験を行なう計画なのだ。
記者は、iPad発売の1週間前に各大学担当者にインタビューを行なったが、その誰もが、iPadは教科書を時代遅れにする可能性が高い、と見ていた。
シートン・ヒル大学では、新学期の始まる今秋に、2100人の学生と300人の教師にiPadを配布する予定だ。「学生たちがバックパックに入れて持ち運ぶあの重くて大きい教科書は過去のものになろうとしている」と、同大学の教務副責任者Mary Ann Gawelek氏は語る。「教科書が少し安くなることもあり、教師たちは、もっと多様性のある教科書を使えるようになるだろう」
現在、Apple社は教科書会社と契約はしていないが、学生たちは、5大教科書出版社のものを含む約1万冊の電子教科書にアクセスすることができる。CourseSmart社のサービスは契約購読ベースで、料金を払うと一定の期間だけ、選択した電子教科書を利用することができる。
教科書は米Amazon.com社の『Kindle DX』が失敗した市場だが、iPadは成功するかもしれない。
9.7インチ型の電子ブックリーダーKindle DXが2009年に発売されたが、これは学生と教科書の市場に正面からねらいをつけた(日本語版記事)製品だった。ところが、プリンストン大学でパイロットプログラムに参加した学生50人の過半数は、Kindleの遅さと限られた機能性に満足できなかったという。
同大学4年のAaron Horvath氏はこう述べている。「私の場合、勉強の大半は、教科書との物理的な相互作用からもたらされる。しおり、マーカー、ページの切り取り、付箋つけなどを行ない、文章の一節に重要度を示すマークをつける。もちろん余白にはメモを取る。論文のアイディアは多くがここから来るし、題材との相互作用が起きる……こういったものの全てがKindleではできない。できたとしても、遅すぎて思考に追いつかないので、役にたたない」
iPadはKindle DXよりも大きな可能性を持っている、と語るのはForrester社のアナリスト、Sarah Rotman氏だ。Kindleは白黒で、双方向機能も限られており、ページ付けが信頼できなかった点も問題だったが、iPadは、高速でカラフルなタッチスクリーン、幅広い学生に対応できるアプリのサポートが優れているという。
ジョージ・フォックス大学とアビリーン大学ではこれまで、iPhoneとiPod Touchを無料配布して教育に利用するプログラムをおこなってきた(日本語版記事)。ウェブアプリで宿題を提出したり、講義のポッドキャストを聞いたり、授業予定や成績をチェックしたりできるものだ。
アビリーン大学では2100台のiPhoneを配布してきたが、iPadについても、パイロットプログラム用として50台を注文した。こうしたプロジェクトの中心人物である、同大学で歴史を教えるBill Rankin教授は、iPadは出版の将来にとって非常に重要なものになると考えている。同大学のキャンパス紙『The Optimist』はiPadアプリを開発しており、近くApp Storeで公開される。
「われわれは学生に、iPadで情報を提示する一番良い方法について考えてもらいたいと考えている」と、同大学でジャーナリズムとマスコミについて教え、The OptimistのアドバイザーでもあるKenneth Pybus助教授は語る。「写真やテキスト、HTML5の利点を最大に生かす機能を設計するよう、学生たちに働きかけている。情報がどのように配布され、読者に提示されるかについて考えることには、教育的・学問的な意義がある」