2010年9月15日水曜日

インターンシップと就職難 中日新聞

インターンシップを単位認定する大学が増えている模様です。
一方、インターンシップを受け入れられる企業はあまり増えていないという話を聞きます。
企業側にとっては短期のインターンシップでは、学生を鍛えるだけで
企業の利益になることはほとんどありません。
採用直結になる可能性があると行っても中小企業には受け入れリスクが大きいです。

中・長期のインターンシップは人件費が安い、もしくは無償のままであれば
行う意味が出てきますが、その状態を続けると
「あの企業はブラックだ。学生を安い人件費でこき使ってる」とのことになりそうです。
結果、受け入れる企業は一部の余裕のある大企業か
カリキュラムなどはないがやる気だけであれば自由にやらせる中小ベンチャーくらい。

ベンチャーの場合、インターンシップというよりはもう好きに実践でやってね、
と放置プレイになることも少なくない。そのほうが成長できるかもしれませんがね。

単位認定する大学は増えているが・・・
増えるインターンシップ 就職難で学生に危機感
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2010091002000053.html


夏休みを利用してインターンシップ(就業体験)に参加する大学生が増えている。
就職難で学生の危機感が高まっており、国も学生の就業力育成支援に乗り出している。
ただ、企業には負担が大きく、受け入れ先のすそ野が広がらない問題も出ている。


 八月上旬、東海東京証券名古屋支店(名古屋市)で実施されたインターンシップ。
「この携帯電話会社は、動画配信などのサービス面が充実していて有望です」。
名古屋外国語大三年の吉川源太郎さん(21)が、仲間の学生十七人を相手に熱弁を振るっていた。お薦めの株式銘柄を顧客にアピールする想定。新聞記事や企業の決算情報を基に携帯電話業界を説明した上で売り込むと、指導の社員は「もっとお客さまの顔を見て話して」などとアドバイス。吉川さんは「金融に興味はあるが、大学では専門外。就職活動の前に、証券や銀行の知識を得られて良かった」と満足げだった。東海東京証券では、企業の社会的責任(CSR)や地域貢献を主な目的に、六年前から大学生のインターンシップを受け入れている。専門の担当者を置き、十日間みっちりカリキュラムを組む。社会人マナーや業界知識を学ぶ座学のほか、株式の疑似売買や支店訪問、若手社員との懇談も。 参加した学生からは「毎朝同じ時間に出社し、一日中働く社会人は体力勝負と分かった」「一からつくり上げるチームワーク、行動力が必要と感じた」など感想が寄せられた。現場の負担は少なくないが、人事部グループリーダーの竹内英隆さんは「採用活動の前に、問題意識を持った意欲ある学生と接触したい思いもある」と打ち明ける。


    
 文部科学省の調べでは、単位を認定する授業としてインターンシップを取り入れる大学は年々増えており、二〇〇七年度で68%に上る。同省は来年度から、大学や短大に職業指導の実施を義務づけた。厳しい就職環境や離職率の高さが背景にあり、担当者は「卒業後に社会人として自立していくための就業力を養成するのが狙い」と話す。職業指導の中でも、重視されているインターンシップ。愛知学院大(愛知県日進市)では、一年生から「キャリアデザイン」と呼ばれる授業を開講。企業研究と一日だけの企業訪問を行い、二、三年生で本格的に参加する。インターンシップを希望する学生は〇六年度の三百十四人から、本年度は二・四倍の七百五十五人に。だが実際に研修先へ行くことができた学生は四百十人にとどまった。同大キャリアセンター就職課は「以前は四百以上の受け入れ企業があったが、リーマン・ショック後に半減した」と受け入れ先の確保に頭を悩ませる。




 企業のインターンシップ情報を掲載するサイトを運営する「毎日コミュニケーションズ」の渋沢喜一郎・名古屋支社長は、受け入れ先が広がらない理由について「夏休みにインターンシップを実施してから翌春の採用活動まで時間があり、採用に直接結びつかないのが一因」と指摘する。
 三重県と協力して県内企業でのインターンシップをあっせんする県経営者協会の担当者は
「行政が受け入れ企業に助成金を出したり、大学と企業の人脈づくりのための産学連携の場を設けたりして、地道に企業への協力を求めていくしかない」と語る。
 


 大学院生の長期インターンシップにも取り組む名古屋工業大の鵜飼裕之副学長は「短期的には企業のメリットは少ないかもしれないが、長期的視野で考えれば社会に貢献できる人材の育成になる」と解説。「学生は目的意識を持ち、自分のキャリア形成の一環として取り組んでほしい」と話している。